ICレコーダーやMDには、音質選択のためのモードと呼ばれる録音機能がついていることが多いと思います。モードは、高音質や標準、倍速や長時間録音などと機種によって呼ばれ方はさまざまですが、ざっくりと分けて、標準で録音するのか、コンパクトにするのか、高音質できれいに録音するのかといった設定機能です。
高音質は、音楽などの音にこだわりたいときに選ぶと思いますが、会議やインタビューといった会話を録音するときにも、この高音質の機能はとても有用です。倍速や長時間録音よりも標準、標準よりも高音質がおすすめです。
つまり、
倍速・長時間録音 < 標準 < 高音質
というように、できるだけ高音質を選んだほうが会話録音に向いています。
倍速や長時間録音は「圧縮」されてコンパクトになっています。記録範囲が小さいので音質が落ちて、極端に言えば大まかな音をとらえて、小さい音はカットされ、ノイズ(雑音)が入ります。標準も高音質に比べれば、ある意味「圧縮」されていると言っていいでしょう。
「圧縮」されているものとは具体的にどんなものなのでしょうか。
カセットの2倍速・3倍速、マイクロカセットの標準と2倍速、MDの長時間モード(LP)、ICレコーダーの長時間録音。これらはみんな圧縮したものです。マイクロカセットはもうそれ自体が非常にコンパクトなので、倍速だけではなく標準も圧縮された形になります。
「圧縮」されたモードで録音すると、小さな声が消される、語尾がはっきりしないということになります。特に複数の話し手がいる場合にはマイクと話し手の距離が離れるため、それほど小さい声でなくても音が拾えないということが起こってきます。
コンパクトにすれば扱いは便利ですが、肝心の音質が落ちてしまっては本来の役目を果たせないこともあります。会話の録音は、できれば高音質で、最低でも標準で録音することをおすすめします。