読点「、」の打ち方― 文字起こしの作法

日本語の表記について少し思うところということで、今日は読点についてです。
皆さん、読点「、」をどこに打ったらいいのか、迷うことはありませんか。この読点の打ち方には何か決まりがあるわけではありません。でも、決まりがないからといって、気分で、ここら辺でそろそろ読点を入れておこうというものでもありません。読点が少ないと意味をつかみにくくて読みにくいものになりますし、反対に読点が多すぎても目障りで読みにくくなります。

読点の打ち方は感覚的ではなく、相手に正確に内容が伝わるように、必要なところに打つことが基本です。読点とは、読みやすくなるように打つ点です。必要なところというのが曖昧で難しいところですが、以下のような点を気にするといいかもしれません。
1.長文の文節の切れ目
2.主部あるいは述部が長文の場合、主部に付加する助詞「は」の後
3.一息に読んで意味が理解できると思われる語句の後
4.1行40文字ほどに、少なくとも1つの読点
5.最小限に使うと、見た目にもスッキリ

見た目にもきれいなことが、意外に相手の読みやすさにもつながります。文の初めの接続語の後に読点を打つ流儀もよく見かけますが、私は接続語の後の読点は必ずしも必要とは思っていません。小学校では接続語の後に読点と教わったように思いますが、新聞や小説などでは必ずしもそうではありません。私はテープ起こしをしていて、接続語の後に漢字が続くときは、あえて読点を省いています。そのほうがきれいですし、これによって読み間違いが起こることもないでしょう。用字用語集の『記者ハンドブック』にも、「誤読、難読の恐れのない場合は、原則として読点を打たない」とあります。決まりはありませんので、読みやすさを念頭に自分流にアレンジするといいでしょう。

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